新デレラ・ストーリー
『今夜は舞踏会…みんな出かけたと言うのに…』
ピンポーン
『はーい』
『また何かの勧誘かしら』
シンデレラがドアを開けると、老婆が立っていました。
『何のご用でしょう?』
『私、家政婦協会からやってきましたミタと申し…』
『結構です』
シンデレラはバタンとドアを閉めました。
『ちょ、ちょっとお待ちよ』
『何て気が短い子なんだろうね』
『私は正真正銘、本物の魔法使いだよ!ちょっとギャグを飛ばしただけじゃないか!それよりあんた、今晩大事な用があるんじゃないのかい?』
シンデレラはそーっとドアを開けて言いました。
『本当に魔法使いなの?』
『それにしちゃ、ギャグのネタがカビ臭いわね』
『大きなお世話だよっ』
『まあいいわ、で、本当に魔法使いなの?』
『勿論さね』
『だったらお願い!私どうしても舞踏会に出たいの』
『この日のためにレディガガばりのダンスの特訓もしたの!』
『承知しました。まずは着るものだね』
老婆はカビ臭いネタを引っ張りつつ、呪文を唱えると、亀マークの道着が出てきました。
『まあ素敵!コレで賞金100万ゼニーは私のものね!って、オイ!』
『お次は靴だね』
老婆はまた呪文を唱えました。
『まあなんて素敵な…カラスの靴!?』
『こんな格好でお城に入っていったら、中に入る前に確実に撃ち殺されるわよ!!』
『最後はコレだね』
老婆はお構いなしに呪文を唱えました。
『まあ、なんて素敵な…カボチャの…
戦車っ!?( ̄□ ̄ )!!』
『こんなモノで一体何をしろって言うのよ!』
『つまり、女王様になれればいいんだろ?』
『それは…そうだけど』
『ならこれでOKだ。後は自分で考えな』
『そうそう…ヒントをあげよう』
『あんたの初恋の相手が良く言ってた言葉を思い出す事だね』
『あと、出かける時はホウキを忘れるんじゃないよ』
そう言って老婆は消えてしまいました。
『初恋の相手って…タケシ君?彼が良く言ってた言葉って…』
シンデレラはすぐさま亀の道着を着込み、カラスの靴を履き、ホウキを抱えてカボチャの戦車に乗り込むと、全速力でお城へと向かいました。
お城目がけて撃ちまくり、砲弾が尽きるとカラスの靴の羽を広げ、お城の頂上へと飛びました。
『仕上げはコレね!伸びろ!如意棒!』
すると、ホウキがぐんぐん伸びて衛兵達をなぎ倒しました。
そうしてあっと言う間にお城を制圧し、女王の座を手に入れたのでした。
『有難うおばあさん…。忘れかけてたわ…タケシ君の言葉』
『俺の物は俺の物、お前の物も俺の物。考えるだけじゃ駄目なのよね、自分で行動しなきゃ』
そうしてシンデレラと王子様はいつまでも幸せに暮らしましたとさ。
おわり_φ(  ̄▽ ̄)ノ♪